一眼カメラのレンズの種類と選び方

レンズが交換できることが大きなメリットの一眼カメラ。
それによりボディ1台あれば、様々な表現で写真を撮ることができます。

でも、レンズは種類がいろいろあって値段もピンキリ。

「レンズの種類ってどんなのがあるの?」
「一体どれを選べばいいの?」

と思ってる方も多いはず。

そこで今回は、
一眼カメラに慣れてきた頃、そろそろ交換用のレンズが欲しい!と思ってる方のために

【一眼カメラ用の交換レンズ】についてまとめてみました。

これだけは知っておきたい。まずレンズは大きく分けて2種類

  • ズームレンズ

ズームレンズはその名の通り、ズーム機能(拡大&縮小)を備え持ったレンズです。
ボタン操作やズームリングを回すことで、風景撮影での構図や被写体の大きさを「手元で自由に変えることができる」ので、とても便利なレンズです。

  • 単焦点レンズ

一方、ズーム機能が無く、撮れる距離が決まっているレンズが「単焦点レンズ」です。
これだけの説明だと、なんだか不便なレンズに聞こえてしまいます。
しかし、単焦点レンズはその構造上、ズームレンズに比べ「明るいレンズ」になるので、
一眼カメラ独特の「ボケみ」を楽しんだり「暗いところでの撮影」が得意など、魅力的な利点を確立してるレンズと言えます。

【!】ズーム機能の違い
 この場合の「ズーム」は、レンズ内のレンズ同士の距離を変化させることで焦点距離を変える「光学ズーム」のことで、スマホなどの小型カメラが、画像を切り取ってデータを引き伸ばす「デジタルズーム」とは根本的に別のものです。
 「光学ズーム」は光学的に拡大しているので、被写体を大きく写しても画質が劣化することはありませんが、「デジタルズーム」は拡大し過ぎると画像が荒くなるので注意が必要です。

「望遠」「標準」「広角」焦点距離によって異なるレンズの種類

レンズはまず、「ズーム機能の有無」で分類されるとお伝えしました。
次にレンズは、それぞれの撮影できる距離、すなわち「焦点距離」によってさらに3つに分類されます。

  • 望遠レンズ

一言で言うと、遠くの被写体を大きく写すことができるレンズです。
肉眼では見えない木の上の鳥の仕草や、広いスタジアムでスポーツ選手のプレーを追うのも望遠レンズです。
しかし、望遠レンズは構造上、どうして大型で全長も長くなり、フットワーク的な問題に加え、コスト的にも高額になりがちです。

  • 標準レンズ

人間の視野に近い画角のレンズで、自然な遠近感の描写と言えます。
一眼カメラで初めてのレンズを選ぶ際、特別にこだわった画角を撮影したい。というわけでなく、 一通りのシチュエーションでの撮影を楽しみたい。と思ってる方には標準レンズがおすすめです。
各メーカーで販売されてる一眼カメラのレンズキットは、標準レンズが一般的です。

  • 広角レンズ

画角が広く、至近距離から建物を見上げるような迫力のある写真が撮れるのが広角レンズです。
例えば、目の前にある巨木を写そうとしても、望遠レンズや標準レンズでは画角に入りきらなくても 広角レンズならダイナミックに一枚に収めることができます。
ただし構造上、撮った写真の端が歪んで写ったり、遠近差のある被写体の大きさが大きく変わる性質もあります。

【!】焦点距離とは、ピントが合った時のレンズの中心(主点)からイメージセンサー(撮像素子)までの距離のことです。

その他、今回は触れませんが、小さい昆虫や花の雌蕊などを鮮明に写す「マクロレンズ」もあります。

数字を見ればスペックがわかる。レンズに表記されている焦点距離

ここまでレンズは、「ズームの有無」と「画角による違い」で分類されるとお伝えしました。

では、そのレンズを見て、何を基準にそれらを見分ければいいのでしょうか?

レンズは通常、
「100mm」「50mm」「16mm」など数字でその焦点距離が表記されています。
そして「16-55mm」「24-105mm」など2つの数字が書いてあるものがズームレンズとなり、その数字の範囲が撮影可能な焦点距離となります。
つまり、「100mm」や「50mm」など数字が1つしか書いてないものは単焦点レンズとなります。

そして、先ほども書いたように、
人間の視野に一番近い画角の「50mm」が標準レンズの中心と位置付けられています。
(ただ、プロカメラマンの中でも「35mm」こそ標準。という方も多いようなのでその定義はやや曖昧です。)
ズームレンズでは「50mm」を中心にカバーしてる「24-70mm」が標準ズームと言われています。

望遠レンズについては
「85mm〜105mm」を中望遠、
「135mm〜300mm」を望遠、
「400mm」以上を超望遠と区別しています。

一方、広角レンズは「35mm以下」のものを指し、数字が小さいほど広角となります。
そして「8mm」のような超広角レンズのものは、魚眼レンズ(フィッシュアイ)と呼ばれ、 中には180度以上の画角を持つものもあります。

【!】今回、上記で説明してる焦点距離はすべて35mm判換算(フルサイズ機のセンサーを基準)です。
 その数字の基準はイメージセンサー(撮像素子)の大きさによって異なります。
 つまりフルサイズ機用のレンズと、APS-C機用のレンズでは同じ焦点距離でも撮れる範囲が異なります。
 センサーの違いによる画角の換算方法はまたの機会に詳しくやるとして、ここでは、
 ・フルサイズ機の場合は、50mmが標準、
 ・APS-C機では、35mmが標準と覚えておいてください。

ズバリ答えます! 今のあなたにおすすめのレンズはコレ!!

ここまで、それぞれのレンズの種類と特徴について説明しました。
ただ、いざレンズを購入するとなると決して安い買い物ではないので、絶対に失敗はしたくないですね。
その不安は当然で、僕自身も新しいレンズを買うときは慎重になります。

よく、
「レンズって何を買えばいいの?」との質問に、
「何が撮りたいかによって変わる」と言って、答えを出さない上級者の方が多い気がします。

確かにそれは正論で、その通りなのですが
「そんなのわかんない」「いろいろ撮りたい」
というのが初心者の方の本音だと思います。

とうことで、
僕はあえてレンズの購入で迷ってる初心者の方に、それぞれの答えをご提案します。
まず、

●カメラをやってみたいけど具体的に何が撮りたいか決まってない
●ボディは決まったけど最初の一本目のレンズが決まらない

という方は絶対的に「標準ズーム」がおすすめです。
上記の標準レンズの中でも、ズーム機能があるものは幅広いシチュエーションに対応できるので初心者の方にも使いやすい基本のレンズです。

次に

●一眼カメラをレンズキットで購入したが、標準レンズ以外のレンズも試してみたい
●友達とよく旅行に行ったり、テーブルの上の料理を綺麗に撮りたい

という方におすすめなのは「広角の単焦点レンズ」です。
広角レンズは標準レンズと異なり、今まで入りきらなかった構図が撮れるので写真の幅が広がります。
あえて「単焦点」をおすすめするのは、単焦点レンズにすることで明るいレンズになるので、必然的に早いシャッター速度で撮れるようになります。
これにより手ブレ対策になる他、暗くなった場所での撮影もフラッシュ無しで撮れる機会が増えます。

そして、

●広大な景色を切り取るように大きく撮りたい
●運動会や発表会で子供をしっかり撮りたい

という方には、「望遠ズーム」をおすすめします。
望遠レンズを使えば、被写体から離れていても大きく写すことができるので自然界では動物に気付かれず、警戒されないありのままの撮影ができます。
もちろん、望遠レンズにも「単焦点」は存在していますが、望遠レンズの単焦点レンズは、ちょっと引くらい高額なのと、焦点距離が決まっているので割と上級者向けになります。

そして僕は、

レンズ選びは「将来を見据えた選び方」が大切

だと思ってます。

僕の場合「標準レンズを買うなら50mmの単焦点」と決めていた上で
1本目は「16-35mmの広角ズーム」を購入しました。
旅行での撮影が好きなのと、人の視野に近い標準レンズで「ボケ」を楽しみたかった。
というのが理由です。我ながら良い選択をしたと思ってます。

みなさんも
「今回はこのレンズを買って、次回はあれを目指す」
「そんなに何本もいらない。便利なのが一本欲しい」など
ご自身の今後の購入予定なども判断の基準にしてみてください。

今回は触れませんでしたが、レンズの種類は画角の他、F値というものがあります。
F値について詳しくはコチラ
簡単にいうと、そのレンズの明るさを示した数字で、数字が小さいほど明るく高額になります。
同じ画角のズームレンズでもF値が4.0と2.8では、性能も金額も変わってきます。

なので、例えば将来的に、高額でも明るい標準ズームレンズを狙うなら
異なる画角のレンズは、明るさかズーム機能のどちらかを諦め、出費を抑えるという考え方もできます。

また、初めての一眼カメラなのでAPS-C機で買ったけど、将来的にフルサイズ機が欲しくなるかもしれません。
APS-C機用のレンズをたくさん揃えてもフルサイズ機では使えなくなる場合があります。
そうなるとまた買い直しになります。。

今日のまとめ

ここまで、レンズの基本的な種類と特徴を書いてきました。
レンズは種類が多く、それらすべてに特徴があります。
いろいろ考えていると難しくなってきたり、お財布との相談も必要です。
でも自分に合ったレンズ選びは、楽しい悩みでもあります。
そして楽しい時間は、新しいレンズが手元に届いてからさらに大きくなります。

ぜひ、ご自身だけのカメラライフを楽しんでください。

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