シャッタースピードの基本知識と手ブレしない限界速度

一眼カメラを手に入れ、いろんなシーンで撮影をしてみたところ、こんな壁にぶつかることがあるかもしれません。

  • 動いているものがパリッと撮れない
  • ピントは合ってるのに暗いところで上手く撮れない

これらはシャッタースピードによるブレが大きな原因です。
シャッタースピードは撮影するにあたり、F値と同じくらい重要な項目になってきます。

今回は、シャッタースピードの基礎知識から、手持ち撮影時の適正な速度まで、僕の概念もちょっと足しながらまとめていきたいと思います。

まずはシャッタースピードの基礎知識

とその前に、そもそも「シャッター」とは何なのでしょう?

シャッターとはその名の通り、光をシャット(遮断)する装置です。
普段は閉まっており、レンズから送られる光の情報を、イメージセンサー(撮像素子)に送る時間だけ開きます。

これを「シャッターを切る」とも表現されることもあります。

そして、シャッタースピードとは、シャッターが開いている時間のことです。
「シャッター速度」や「SS」で表現されることもあります。

シャッタースピードは
4秒(4″)、2秒(2″)、1秒(1″)、1/2秒(2)、1/4秒(4)・・・1/1000(1000)のように表されます。
※( )内はカメラでの表示の例。メーカーによって若干異なります。

シャッタースピードを速くすると、光がイメージセンサーにあたる時間が短くなり、センサーが認識する光の量は少なくなります。

逆にシャッタースピードを遅くすると、光がイメージセンサーにあたる時間が長くなり、センサーが認識する光の量は多くなります。

【!】シャッタースピードあるある?
 メーカーにもよりますが、カメラでの表示でちょっとわかりづらいのが
 2秒は「2"」、1/2秒は「2」となるところ。
 これは慣れるまで、『ん?どっちだっけ?』となりがちです。
 「○"」となっていたら、○秒
 「○」と数字だけなら、1/○秒
 と覚えちゃってください。
【!】シャッターの豆知識
 シャッタースピードを制御するシャッター。
 では、そのシャッターはカメラのボディー側かレンズ側のどちらにあるのでしょう?
 答えは、
 レンズ交換ができる一眼カメラのシャッターはボディー内、
 レンズ固定式カメラのシャッターの多くはレンズ内にあります。
 また後者を「レンズシャッター」と呼びますが、一眼カメラの愛用者にとってはあまり馴染みのない言葉かもしれませんね。

シャッタースピードによって生じる「ブレ」の違い

冒頭で、「動いている被写体」や「暗いところでの撮影」がうまくいかないのはシャッタースピードによる、ブレが大きな原因とお伝えしました。

カメラを三脚で固定していても、シャッターが開いている間に、被写体が動いてしまうとブレとして写ります。
そして、暗いシーンでは昼間の撮影に比べ、取り込む光の量が少なくなるので長いシャッタースピードが必要となります。

これが「シャッタースピードによるブレの原因」になるのです。

【!】知っておきたい「2種類のブレ」
 ブレには、被写体ブレと手ブレの2つがあります。

 ①被写体ブレ(または動体ブレ)
 シャッターが開いている間に、被写体が動くことによって被写体がブレてしまうこと

 ②手ブレ(またはカメラブレ)
 シャッターが開いている間に、カメラが動くことによってブレてしまうこと

同じブレですが、一般的に被写体ブレは表現方法の一つとして使われることが多く、手ブレは失敗写真としてみなされることが多いです。
また「ブレ」は、ピントが合っていない状態の「ピンボケ」とは異なります。

シャッタースピードとF値の関係

ではどうすれば、「動いている被写体」や「暗いところでの撮影」をブレずに上手に撮れるのでしょうか?

解決方法は簡単、シャッタースピードを短くすることです。
シャッタースピードを短くすれば、被写体ブレや手ブレを抑えることができます。

とは言っても、
ただシャッタースピードを速くするだけだと、その分イメージセンサーに届ける光の量が少なくなってしまうので、暗い写真になってしまいます。

そこでシャッタースピードも速く、明るく撮影するために重要になってくるのが「F値(絞り)」「ISO感度」です。
F値を開放することで、同じシャッタースピードでもより多くの光を取り込めるようになります。

ただし、F値は大きく変化することで写真の表現も大きく変わります。
思っていた以上に背景がボケ過ぎてしまい、被写体だけにピントが合ってる写真になりがちです。

そういった場合は「ISO感度」での調整がお勧めです。
(※カメラ三原則のひとつ「ISO感度」については次回でご説明します)

F値について詳しくはこちらの記事で書いております。

手ブレしない限界のシャッタースピードと焦点距離の関係

三脚でカメラをしっかり固定した時と異なり、
手で持って撮影する。

これはシャッタースピードに限界があります。
どんなプロでも、10秒間のシャッター速度で完全に手ブレしていない撮影はほぼ不可能でしょう。

それでは手持ちでの撮影で、手ブレをしない限界のシャッタースピードの目安はあるのでしょうか?

「1 / 焦点距離」秒より速いシャッタースピード

これが一般的に手ブレをしない限界のシャッタースピードと言われています。
例えば、

  • 50mmの焦点距離なら 1/50秒
  • 100mmの焦点距離なら 1/100秒
  • 200mmの焦点距離なら 1/200秒

ということになります。

直立不動、で脇をしっかり締めて神経を集中してやっと。
といったところでしょうか。

焦点距離によって異なるのは、ブレの倍率が変わるからです。
望遠レンズではブレも大きくなるのです。

では、広角レンズはブレにくいのかというと、
正確にはブレが目立ちにくいということになります。
実際、15mmの焦点距離を1/15秒でとってみると、一見ブレてないように見えても、拡大した時に被写体の輪郭がパリッとしていなかったりします。
広角での手持ち撮影時は若干、早めのシャッタースピードに設定することをお勧めします。

また手ブレの違いは、カメラやレンズの重さのほか、撮影者の筋力や技術によっても変わってくるかもしれませんね。

【!】ご注意
 ここでの焦点距離を用いた数字は、35mm判換算(フルサイズ機のセンサーを基準)です。APS-C機では1.5倍(キャノンは1.6倍)、マイクロフォーサーズなら2倍で計算してください。
 例:フルサイズ機で1/50秒は、APS-C機だと1/75秒が必要になります。
【!】昼間のシャッタースピードの目安
 昼間の屋外ような明るい条件でのシャッタースピード(速度)の目安は、およそ1/1000秒。人間にとってはまさに一瞬。これは時速40kmで走る車が1cmしか進めないくらいの短い時間です。

まとめ

今日はシャッタースピードとブレについて書いてみました。

結果、手持ち撮影ではブレの大敵ともなる「シャッタースピード」。

最近はほとんどのメーカーのフラッグシップ機なら、それぞれ自慢の「手ブレ補正」が備わっていますが、それでも速度は速いに越したことはありません。

今日は詳しく出さなかった「ISO感度」の精度も数年前に比べ大きく上がっています。
さらに言うと、Lightroom(adobe)のような画像編集ソフトの機能も高くなりノイズ除去などあっぱれもの。

そう言った意味でも、僕個人の意見ではありますが、
シャッタースピードで迷ったら多少暗い写真になっても、思ってるより速度を速くすることがお勧めです。それは、写真の明るさはある程度現像で調整することができますが、手ブレはなんともならなくなるからです。

また、手ブレが絶対起こらない【三脚撮影】なら、
シャッタースピードを極端に長くして滑らかな水の流れを捉える長時間露出や、
滑空するスポーツカーに合わせてカメラを横に振りながら撮る流し撮りなど
シャッタースピードを長くすることで表現の幅が広がるのも利点になります。

写真は難しいことも多いですがとても楽しいものです。
そしてその楽しさは、できることや理解が増えることでさらにさらに大きくになります。
ぜひ、いろんなシチュエーションの撮影にチャレンジしてみてください。

今日はここまでとなります。
ご覧いただきありがとうございました!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください