写真の印象をアスペクト比で変える

カメラの設定を覚えると、いろんな写真を撮りたくなりますね。
「次は何撮ろう」なんてとても楽しい時間です。

でも、

  • 画質はいい感じなのに、つまらない写真になる
  • 構図も工夫してるけど、なんか雰囲気がマンネリ気味
  • なぜか大自然の風景を写真にすると伝わらない

なんてことはありませんか?
それはもしかしたら、一つの枠に囚われてしまっているからかもしれません。

そんな時は、アスペクト比を変化させて撮影してみる
これまでと違った雰囲気の写真が撮れるようになります。

「アスペクト比って何?」「なんか聞いたことあるぞ」という方はもちろん、
「それぞれアスペクト比の特徴について知りたい」という方のためにも
今回はアスペクト比についてまとめてみました。

アスペクト比の種類と基礎知識

「アスペクト比?」

カメラを始めたばかりの人でも、もしかしたら耳にしたことがあるかもしれません。

テレビや、映画、パソコンモニターなどの画面は
基本的に長方形で、その横幅と縦の長さには関係性があります。

アスペクト比とは「画面の横と縦の比率」のことで、
4:316:9 といった感じで表されます。

そしてもちろん、
アスペクト比はカメラの世界でも使用されています。

その他の呼び名では画面比率(がめんひりつ)アス比と省略されることもあります。

ただ、縦横比(じゅうおうひ)と表現すると、【たて:よこ】となるので、
アスペクト比の【よこ:たて】とは異なり、ちょっと注意が必要です。
※基本的に縦横比は「縦を1」として表します。
例)アスペクト比 3:2 = 縦横比 1:1.5

【!】アスペクト比の規格
かつてのアナログテレビ放送やビデオ映像などは4:3が標準でしたが、
デジタル放送やハイビジョン放送の移行に伴い、16:9が標準となりました。
これは映画のアスペクト比を導入したためです。
またパソコンのモニターも8:5や4:3、5:4など様々なアスペクト比が使用されてきましたが
最近では動画を見る機会が増えたためか、16:9かそれに近い横長のものが主流です。
他には、さらにワイドな2.35:1なんてのもあります。

設定によって変更できるアスペクト比

一般的に、カメラに設定されてるアスペクト比は、センサーサイズによって異なります。
それは一番効率的に写真が撮れるのが、センサーサイズのアスペクト比だからです。

もう少し説明すると、

丸いレンズから取り込まれた光はイメージサークルと呼ばれ円形をしています。
対して、それを受け取るイメージセンサー(撮像素子)は長方形です。
写真を撮った時、角が写ってないと困るので、その長方形はイメージサークルに収まる形になります。
そしてできるだけ無駄がなく、最大限に画像を取り込む方法は
当然、そのイメージセンサーのアスペクト比で撮影することなのです。

そのため、カメラによって設定されてるアスペクト比に違いがあるのです。

【イメージセンサーによるアスペクト比の違い】

イメージセンサーの種類
サイズ
アスペクト比
縦横比
フルサイズ
36mm × 24mm
3:2
1:1.5
APS-C
23.4mm × 16.7mm
3:2
1:1.5
マイクロフォーサーズ
17.3mm × 13mm
4:3
1:1.34
コンデジ(1/1.7型)
7.6mm × 5.7mm
4:3
1:1.34

そして最近のカメラは、
アスペクト比を設定(MENU)から選べるものが多くあります。

もし、お手持ちのカメラにアスペクト比を変更できる機能があるなら
それを活用しない手はありません!

ただし、
これは本来のセンサーに取り込まれた情報内でそのアスペクト比に切り取るので
情報データとしては少なくなり、画素数にも影響が出ることは頭に入れておきましょう。

それでは次にアスペクト比の違いによる写真の印象の違いを見ていきましょう。

イメージが変わるアスペクト比の違い

カメラにはいくつかのアスペクト比に設定できるようになっているものが多いとお伝えしました。

そしてアスペクト比によって撮れる写真のイメージも変わってきます。
同じ風景でもいろいろなアスペクト比で撮ってみると、
もしかしたら、
まだ自分では気づいていないお気に入りや得意なアスペクト比があるかもしれません。

アスペクト比による印象の違い

【 3:2 】幅広いシーンで使用されるスタンダードな比率

35mmフィルムの時代から使用されてるアスペクト比で、今でも印刷用に良く使用されています。被写体に自然な動きを出せるのが特徴で、ポストカードや年賀状に使う時も便利な比率です。


【 4:3 】コンパクトデジタルカメラに使用される比率

一昔前のテレビやパソコンの画面の比率です。馴染みのある方も多いのでは?横と縦の差が少ないので、被写体の納まりがいい反面、少しボテっとした印象になります。


【 16:9 】テレビやパソコンで使用される比率

横に長い比率なので、被写体以外に背景もしっかり入るのが特徴です。パノラマ感が出るので風景写真にも向いています。


【 1:1 】インスタグラムで使われる比率

完全な正方形で、被写体を枠内に収めると缶バッチのような仕上がりになります。SNSで使用されることが多いので、わりと最近広まったアスペクト比と言えます。


【 3:4 】縦の方が長い開放感のある比率

4:3を縦長にして撮ったのと同じアスペクト比です。縦長の被写体を収めやすい他、上部に空間ができるので星空や天井の高い風景を撮るときにも向いています。


もちろん、撮影後に編集ソフトを使って好きなアスペクト比にトリミング(切り抜き)すれば一緒と言えば一緒ですが、この場合、概念的にはクロッピングに近いです。

簡単にいうと、アスペクト比を変えることで、撮る瞬間にその写真の狙った構図に集中できるのです。
(トリミングとクロッピングの違いはわりと深いのでまた今度詳しくやります)

まとめ

さてここまでアスペクト比についていろいろお話ししましたが
もう一度簡単にまとめてみましょう。

  • 幅(横)と高さ(縦)の比率である
  • イメージセンサーによって異なる
  • 「設定MENU」や「機能」で変更できる
  • 比率によって写真のイメージが変わる

と、こんなところでしょうか。

写真を撮る際に、アスペクト比を変えることで
同じ場面でもまったく違う表現になることがわかりますね。

写真をただの記録ではなく、その場で感動した情景や構図による「意外性を表現」できるようになるとさらに撮影が面白くなります。

ぜひ、いろんなアスペクト比での撮影にチャレンジしてみてください。

それでは今日はここまで。
ご愛読ありがとうございました!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください