【撮影三原則】のひとつ「ISO感度」とは

撮影する上でISO感度は、これまでにご説明したF値(絞り値)や、シャッター速度と並び、とても重要な項目です。

これら3つで【撮影三原則】と言っても過言ではありません。

ISO感度のことを理解すると、カメラの瞬時な設定変更が要される場面では「大きな武器」となります。

ということで今回は、ISO感度について詳しくまとめていきたいと思います。

ところでISO感度ってなに?

前回までに「写真を撮るということはレンズを通った光をイメージセンサーに溜めること」とお伝えしました。

一枚のいい写真にするためには適正な光の量が必要です。

明るい状況での撮影では問題ありませんが、暗い場所での撮影は、取り込む光の量が少なくなります。

そのために、

  • F値を開放してたくさんの光を取り込む
  • シャッター速度を長くしてたくさんの光を取り込む

という方法がありますが、シャッター速度を長くするのは手ブレの限界があります。

また、F値の開放に頼りすぎると被写体以外がボケすぎてしまい、思っていた表現とかけ離れてしまうことがあります。

そんな時に助けてくれるのが「ISO感度」です。

ISO感度とは、デジタルカメラが光をとらえる能力値のことです。
デジタルカメラはイメージセンサーに取り込まれた光を電気信号に変えて処理します。
ISO感度を2倍にすると電気信号は2倍になり、同じ絞りとシャッター速度で撮った写真の2倍の明るさで撮ることができるのです。

つまり、ISO100で1/10秒のシャッター速度が必要だった撮影が、ISOを800にすれば1/80秒のシャッター速度で撮ることができるようになります。
シャッター速度が早くなれば手ブレを防ぐことができます。

ISO感度はできるだけ小さくするのが正解?

暗い場所の撮影で、手ブレの防止や適正な露出で心強いISO感度。
では暗所では、常にISO感度だけに頼っておけばいいのでしょうか?

いいえ、
ISO感度にはデメリットもあります。

ISOで感度を上げるということは、電気信号を増幅するということです。
この時、電気信号に含まれるノイズも一緒に増幅してしまうのです。

そのため、撮影時の背面モニターでは気付かなくても、お家のパソコンで拡大した際にざらざらした印象の写真になっていることがあります。

基本的にはISO感度は可能な限り小さく設定することを意識しましょう。
目安で「ISO100が理想と考えてください。

ただ、これは僕の見解ですが
最近のデジタルカメラのISO感度はとても性能が良く、800くらいでは全くと言っていいほどノイズを感じません。
1250や1600くらいで画像を拡大した時に、ちょっとしんどくなるかなって感じです。

しかし暗い場所での手持ち撮影の天敵はなんと言っても「手ブレ」。
多少のノイズは我慢できますが、手ブレはボツ写真となってしまいます。
また、近年の画像編集ソフトのノイズ除去機能も感動的に進化しています。

それらを踏まえ、
暗い場所の手持ち撮影で設定に迷ったら
シャッター速度ではなく、躊躇わずにISO感度を利用しましょう。

そしてもちろん、重要なのはISO感度だけではなく、F値の調整とのバランスだということもお忘れなく。

「SSによる手ブレ」と「ISOのノイズ」

【 SONY α7Ⅲ 1.6秒 F値8.0 ISO100 】
とてもではありませんが手持ちで1.6秒はブレてしまいます。

【 SONY α7Ⅲ 1/80秒 F値8.0 ISO12800 】
拡大して見るとはっきり「ざらつき」が目立ちます。

【 SONY α7Ⅲ 1.6秒 F値8.0 ISO100 】
「三脚」を使用して撮影。
当然、夜間の撮影では三脚の使用が一番綺麗に撮れます。

【!】適正露出とは
明るすぎず、暗すぎでもない自然に見える明るさのことです。

また、適正露出は撮影者や作品によっても異なります。
「明るい写真が好き」「暗い写真が好き」など人によって感性も異なるほか、
被写体と背景のバランスなど、どこに焦点を合わすかによっても変わります。

同時に、「カメラが示す適正露出」が必ずしも正しいわけではありません。

まだ一眼カメラに慣れていない方は、
まず肉眼で見たままの明るさで撮影できるように練習してみてください。
また、画像編集ソフトで現像する予定があるなら、アンダー気味(暗め)に撮ることをお勧めします。それは「黒潰れ」は編集でなんとかなりますが、「白飛び」はなんともならないことが多いためです。

ISOオート機能を賢く使おう

「手ブレしない限界のシャッター速度で、F値とISO感度を設定すればいい!」

う〜ん・・・
言葉ではわかってても、実際にマニュアル設定で全てを的確に操作するは至難の技。
そこでプロも使う、初心者の方にもオススメの設定をお伝えします。

いくらカメラマンがプロだといっても、常に全ての操作をマニュアルで行っているわけではありません。

少なくとも僕の場合はですが、
暗い場所でのロケ撮や、動く被写体を撮影するときは「シャッター速度優先」で撮ることも多いです。

このモードは、シャッター速度を自分で決め、それに合わせた適正露出になるようにカメラがF値を選択してくれるので、シャッター速度長過による手ブレを防いでくれます。
ちなみに、暗所での手持ち撮影で推奨するシャッター速度は、焦点距離にもよりますが 1/100〜1/200 くらいです。
(※望遠になればなるほど速いSSが必要です)

それに加え、もうひとつお勧めなのが「ISOオート機能」です。

各メーカーによって若干異なりますが、
デジタルカメラの多くはISO感度の数値の幅を予め設定することができます。

上の画像は、SONY α7ⅢのISOオート機能の下限と上限の設定画面です。

下限を100、上限を1600にした場合、暗めの場所での撮影でもISO感度が1600を超えることはありません。
どうしても高画質を担保したい時は限界のISO感度を設定し、それ以上はF値とシャッター速度で調整する。なんてことも瞬時にできます。

【!】ISO感度の名前の由来
ISO感度の読み方は様々で「イソ」「アイエスオー」が多く「アイソ」や「感度」と略す方もいます。
そしてISO感度の「ISO」とは、
International Organization for Standardization の略で
直訳すると「国際標準化機構」です。

なんのこっちゃ!

となりますが、これはフィルムカメラの時代に国際的なフィルムの感度を取り決めた規格だったのが名残となって、現在のデジタルカメラ時代に踏襲されているのです。

まとめ

もちろん本来なら、夜間の撮影は三脚を使って定点による長時間露出が理想です。
ただ、長時間露出は動く被写体ならブレてしまうこともあるし、いつでも三脚を持ち歩けるとは限りません。

そんな中、暗い場所の手持ち撮影で「大きな助け」となってくれるのがISO感度です。

ISO感度は、昼間の撮影やクリップオンストロボ使用時のように十分な明るさを確保できない際に、光を増幅してくれる便利な機能なのです。
ISO感度を上げることは必ずしも悪ではなく、手ブレしない写真を撮らしてくれる素晴らしい道具なんだと考えてください。

それでも、トリミングや引き延ばしのことを考えると、少しでもISO感度を抑えたい気持ちになるのも正直なところですけどね。
そんなバランスを取るのが、写真の難しくも楽しいところなのかもしれません。

それでは今日はこのあたりで失礼します。
ご愛読ありがとうございました。

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